稼働後の運用安定化を見据え、業務運用マニュアルへ落とし込む
PROCESS-DRIVEN CHANGE可視化された業務プロセスをプロジェクト関係者で一緒に作り上げていく作業が、出来上がる情報システムの品質の向上に寄与する。
業務フローはプロジェクトフェーズによって進化する
システム導入プロジェクトにおいて、業務フローなど可視化した業務プロセスを効果的に使 うためには、その内容をプロジェクトのフェーズによって進化させていく。
具体的には、①現状分析の段階では『As-Isの業務プロセス』として描き、②業務設計の段階では『To-Beの業務プロセス』として設計する。そして、最後に③定着化の段階では『業務運用マニュアル』として落とし込んでいく。
構築・定着化段階における詳細業務フローの作成
構築フェーズではTo-Be業務プロセスを稼働後の運用を見据えて詳細化していく。
詳細化された業務フローの中には、一連の業務手順の中に役割部署と情報システムの具体的な処理機能、入出力情報が埋め込まれている。
またこの段階では、通常の流れにおける業務手順のほかに、例外的な事項が発生した場合の業務手順についても記述する。ユーザーがお互いに意見を出し合い、より良い方法を採用し、統一した業務手順を作成することによって、いわば業務手続きとしての標準化を図っていく。
詳細業務フローの活用
この詳細業務フローには、情報システムの具体的な処理機能と入出力情報が埋め込まれているので、設計した情報システム仕様の利用部門側からの検証が容易なものとなっている。
業務手続きを標準化すると同時に重要なことは、詳細業務フローをレビューする際に、システムの画面や帳票といった一つ一つの処理機能や入出力情報に関して外部仕様書を常に参照しながら進めることである。
この作業を通して、まだ目で見ることのできない新しい業務と情報システムのプロセスを可能な限り可視化することができ、最も配慮すべき利用部門側から見た仕様書の効果的な検証作業が可能となる。
ERPパッケージの標準機能であれば、プロトタイプによるデモを数回実施することで、実際の画面の動きを確認する形でパッケージの基本情報やカスマイズ設定を検証することも可能である。
上記のような作業によって、業務プロセス間の整合性をチェックすることにより、業務切替時の課題を事前に検討することが可能になる。
さらに詳細業務フローは、稼働前に実施する新システムのユーザー受入テストの業務シナリオに使用したり、ユーザー教育マテリアルとして利用したりすることもできる。
このように可視化された業務プロセスをプロジェクト関係者で一緒に作り上げていく作業が、出来上がる情報システムの品質の向上に寄与するのである。
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システム導入における業務プロセスの可視化作業の意義
システム導入によるベネフィットを確実に享受するためには、プロジェクトメンバー全員が各部門の業務内容及び現在の仕事のやり方、そしてそこに存在する問題点を共通認識し共通の土壌に立つことが出発点になる。
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As-Is現行業務プロセスからTo-Beあるべき業務プロセスへ
システム導入の業務設計作業では、現状分析で整理された改善の方向性を念頭に置き、現行の業務プロセスをあるべき業務プロセスとして描き直していく。
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稼働後の運用安定化を見据え、業務運用マニュアルへ落とし込む
可視化された業務プロセスをプロジェクト関係者で一緒に作り上げていく作業が、出来上がる情報システムの品質の向上に寄与する。
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