最初に決算早期化の目的と目標、当事者を明確にする

PROCESS-DRIVEN CHANGE

決算早期化の取り組みは、最初に、それによって何を実現したいか(目的)、また、いつまでに何の資料をアウトプットするのか(目標)を決める。

決算早期化の目的と目標

決算早期化は業績を改善するための一つの手段である。したがって、決算早期化に取り組む にあたっては、まず決算早期化を達成することによって何を実現したいのか、その目的を明 確にする必要がある。
例えば、IRへの積極的な取り組みとして決算短信の早期開示をしたい、グループで業績管理 の一元化をするため決算日の統一を図りたい、月次のPDCAサイクルを円滑化し経営判断を 迅速にしたいなどである。 その上で、目的を達成するために必要な決算早期化の目標を設定する。
具体的には「いつまで」に「何の資料」をアウトプットするのかを定める。例えば、201X 年3月期には4月10日までに連結パッケージを親会社へ提出する、という具合にである。

決算早期化プロジェクトの当事者

一般に、決算早期化によって何を実現したいか(目的)、そのためには何が必要か(目標) を明確にすることによって、プロジェクトの検討対象となる各業務プロセスの範囲や活動に 関与する当事者(会社・部門)が決まる。
例えば、決算短信の30日開示を目標とするプロジェクトでは、連結決算プロセスや開示業 務プロセスは親会社の経理部門が当事者となり、目標達成のハードルによっては親会社・子 会社の単体決算プロセスに関わる経理部門や事業部門も当事者となる。
また、例えば、情報システムの再構築に伴い特定の業務プロセスから月次決算の早期化を目 標とするプロジェクトでは、経理部門のサポートを得ながら、関連するプロセスを担う事業 部門が主体的に取り組むことが多い。

決算早期化プロジェクトを成功させるために

決算早期化のプロジェクトを進めると、改善によって日程短縮に繋がる早期化上の課題以外の問題点(コスト、業務効率、業務品質など)も出てくることがある。
プロジェクト開始時に、決算早期化の目的と目標、当事者を明確にしておく必要性を強調しているのは、仮にプロジェクトが途中で早期化以外の課題に深入りしそうになったときでも、メンバー間でプロジェクトの目的・目標をリマインドすることで軌道修正を図りやすいからである。

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