決算早期化の阻害要因はクリティカル・パス上にある
PROCESS-DRIVEN CHANGE決算早期化は日程の短縮を第一の目的とした取り組みであり、改善によって日程短縮を期待することができるクリティカル・パス上のアクティビティに注目しなければならない。
決算早期化の問題構造
決算早期化のプロジェクトで抽出される問題を構造化すると次の二つに分類することができる。
- ・決算業務プロセス上の問題点
- ・経理組織体制、スキルに関する問題点
前者は、問題の所在によって、取引先からの請求書入手のように外部との取引に関するもの、グループ会社間の取引に関するもの、会社内部の業務(事業部門、経理部門)に関するものに分かれる。
後者は、業務量に比して人員が不足している、または、スキル不足で誤りが多発しチェック・修正に時間がかかっているなどが含まれる。
この二つのうち、決算早期化では決算業務上の問題点に着目しなければならない。なぜならば、決算早期化が日程の短縮を第一の目的とした取り組みであり、改善によって日程短縮を期待するものだからである。
クリティカル・パスとは
決算早期化の目標達成を阻むものを阻害要因(ボトルネック)という。
この阻害要因は、決算業務プロセスのクリティカル・パス上に存在する。したがって、決算早期化の現状分析においては、最初にクリティカル・パスを特定しなければならない。
クリティカル・パスとは決算作業の全体工程の中でまったく余裕がないパス(経路)のことをいうが、クリティカル・パス上の何らかのアクティビティが遅れれば決算作業全体の日程がさらに遅れ、逆に一部でも短縮できれば決算作業全体の日程が短縮できる、という重要な性質を持つ。
逆に決算早期化のプロジェクトではクリティカル・パス上にない問題点をいくら改善しても、全体の日程短縮の成果を得ることはできない。
色々な部門にヒアリングをして総花的に収集した問題点も、また、業務に精通した担当者が指摘した問題点についても、クリティカル・パス上にあるかどうか検証せずに採用すると後になって手戻りをするリスクになる。
このようにクリティカル・パスは、決算早期化の阻害要因を探し出すために作成するとともに、業務上の種々の問題点が決算早期化上の課題に該当するかどうかを判断するためも利用される。
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最初に決算早期化の目的と目標、当事者を明確にする
決算早期化の取り組みは、最初に、それによって何を実現したいか(目的)、また、いつまでに何の資料をアウトプットするのか(目標)を決める。
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決算早期化の阻害要因はクリティカル・パス上にある
決算早期化は日程の短縮を第一の目的とした取り組みであり、改善によって日程短縮を期待することができるクリティカル・パス上のアクティビティに注目しなければならない。
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PERT図を使ってクリティカル・パスを特定する
クリティカル・パスを特定するためのステップは3つしかない。ステップにしたがいPERT図を使って可視化すれば、経験や勘に頼ることなく、クリティカル・パスをロジカルに特定することができる。
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