組織改革の成功には業務プロセスの再設計が不可欠である
PROCESS-DRIVEN CHANGE組織改革に伴うBPRや業務改善では、必ず現行業務の実運用をフローチャートなどに落とし、企業戦略とのギャップを把握して、全体最適な業務プロセスを再設計する。
形式的に組織を変更しただけでは、改革の効果は期待できない
企業は、戦略や事業計画を実現するために、事業別組織を採用したり、ホールディングス体制にしたり、組織を別法人として分割したり、統合したりと様々な工夫を凝らしている。
これは、実現すべき企業戦略に適合した組織体制を模索しているためだが、その際、各組織の役割と責任の変更を行うと同時に、業務プロセスの変更も必要になる。
もっと言えば、組織改革とは、企業の組織図を作成し人員配置を行って新組織を編成することではなく、新しい業務プロセスを円滑に運営するための業務構造の定義をすることである。
変革後の新しい組織編成は業務構造に着目する
業務構造を定義する際、最初に企業に欠けている、あるいは強化すべき業務機能は何かを明らかにしておく。そして新しい業務プロセスの検討がある程度の深さで進んだ段階で、各業務プロセスがどこの部門の仕事としてその役割を担えば効率的なのかを整理する。
個々の業務単位を大きく役割の視点から業務機能の集合体として括り出すことによって、既存の部門が本来果たすべき役割や、新しく担うべき役割、あるいは別の部門へ移管すべき役割などが見えてくる。
また、業務構造およびその構成要素としての業務機能は、相互に関連し合っている。主要な業務機能間で発生する物・情報・金等のやり取りがどのようになっているか業務プロセスの視点で確認をすることによって、整理した業務機能の役割がさらに明確になるとともに、何に責任を持たねばならないかも自ずと明らかになってくる。
このように業務機能の集合体として業務構造を識別し、企業あるいは事業部門として果たすべき役割を業務プロセス上の見地より定義/検証することによって、変革後の新しい組織を編成していく。
業務プロセスの可視化により、組織変革の効果を検証する
変革後の組織が本当に期待した効果をあげられるか、あるいは、具体的にどのように効果をあげるかは、改革後の業務プロセスを可視化することによって明らかにすることができる。
具体的には、現状の業務をフローチャートなどに可視化した上で、組織変革による影響を反映させて新業務を詳細化していく。
フローチャートには定義した業務構造から本来あるべき業務機能と役割が織り込まれているので、現状の組織に欠けている機能/役割は何かを認識し、このギャップを埋めるための障壁は何か、新組織の編成に向けたシナリオを検討することができる。
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組織改革の成功には業務プロセスの再設計が不可欠である
組織改革に伴うBPRや業務改善では、必ず現行業務の実運用をフローチャートなどに落と し、企業戦略とのギャップを把握して、全体最適な業務プロセスを再設計する。
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業務の標準化・統合により合併・買収等の組織再編の効果を促進できる
業務プロセスの再設計により業務プロセスおよび情報システムを統合・標準化すれば、合併・買収等の組織再編のコストを削減し、早期に効果をあげることができる。
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シェアードサービスは業務の統合・標準化を推進するための有効な手段である
シェアードサービスは、現状分析、シェアード対象業務の検討、シェアードサービス組織の導入・定着と段階を踏んで導入されるが、各段階の目的に応じた業務プロセス可視化の方法を工夫する必要がある。
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