シェアードサービスは業務の統合・標準化を推進するための有効な手段である

PROCESS-DRIVEN CHANGE

シェアードサービスは、現状分析、シェアード対象業務の検討、シェアードサービス組織の導入・定着と段階を踏んで導入されるが、各段階の目的に応じた業務プロセス可視化の方法を工夫する必要がある。

シェアードサービスは業務の統合・共通化の手法として有効である

グループ各社、各事業部で行われている業務に対しても業務の統合・標準化を推進することは可能であるが、シェアードサービスを導入することにより、よりスムーズに進めることが可能となる。
シェアードサービスとは、複数の企業あるいは組織で行われている経理、総務、人事、情報システム等の共通業務を集約し、一つの企業あるいは組織で行う経営手法である。
シェアードサービスは、コスト削減、業務品質の向上、グループ経営管理レベルの向上などを目的として導入される。

シェアードサービスの範囲と業務プロセス

一般的にシェアードサービスの対象業務としては、経理、総務、人事、情報システム等の間接業務があげられるが、実際のシェアードサービス導入にあたっては、これらに関係する業務のうち具体的にどの範囲までを対象とするか検討する必要がある。
対象業務の検討には、各企業あるいは組織で現状行われている業務を比較可能な形で洗い出す必要があるが、粗いレベルの質問項目でアンケートやヒアリングを実施したのでは、必要な情報を収集することは難しい。

可視化の方法を工夫する

業務の可視化の方法としてもっとも一般的に利用されるのは、業務フローのような動的なモデルだが、複数の企業あるいは組織の業務機能を棚卸・比較するためには、表形式での整理(静的なモデル)が有効である。
この表形式での整理は、例えば、縦軸にある程度の詳細さで業務をリストアップし、横軸にはINPUT(何を使って)、PROCESS(何をして)、OUTPUT(何を作成したか)を記載するとともに、実施タイミング・頻度、実施者、関連帳表・資料といった必要な情報を書き込む形式(現行業務分析シート)にすると意図した回答を得やすい。
また、シェアードの対象範囲を切り分けや、目標と業務プロセスの設計では業務フロー形式動的なモデル)でまとめる方が向いている。ただ、ここでも作業段階の目的に応じて可視化の方法を工夫する。
例えば、洗い出した業務のうちどこまでをシェアードの範囲にするかを検討する際には、余分な情報は割愛し、各企業(部門)の主たる業務機能に着目をした概要業務フローを利用する。ある程度粗いレベルの業務フローの方が、企業あるいは部門として果たすべき役割を念頭に切り分け方針を決定しやすい。
また、例えば、シェアードサービスに関連する業務を定義する場合、あるいは運用を定着させるためのマニュアル等に利用する場合は、もう一段階詳細な業務フローを作成する。これにより、シェアードサービス導入後の運用マニュアルにもそのまあ利用可能なドキュメントとなる。

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